本年を振り返って…

小山ゼミ副代表 N.M 臨床心理士

2024年、恵み野に新しい臨床心理相談室が誕生しました。ここでは、臨床心理講演会も開催され、私にとっては、30年も前からのご縁を新たに再び結ばせていただく機会となりました。臨床心理講演会は2回目まで開催されました。第1回目は、幼児期から学童期の“小さな子ども”のこころについて、第2回目は思春期の“少し大きくなった子ども”のこころについてで、一人の人が生まれ育っていく時間をたどるような内容になりました。

 恵み野臨床心理室では相談室のほか講演会も開催され、今後は人のこころについてじっくり触れながら、こころについて考える場となることと思います。人の生きる時間と人々の縁が結ばれ、こころについて深く思い至り共有できる時間が重なるように、恵み野で新しい景色を体験し、その景色は時間と共に私の心に色濃く沁みていくのが楽しみです。

 第2回講演会は11月10日、「思春期の子どもの心の世界を理解する〜スクールカウンセリングから見えてくる子どもの姿」というテーマで、明星大学大学院の福田憲明先生が、お話してくださいました。思春期は、身体も心も大きな変化の波、アンバランスさに翻弄される時期です。大人と同じように考えたり行動したい自分や、まだまだ誰かの助けが必要な自分、これからどうなっていくのか先が見えない、未だ何者でもない自分、そして自由とか自立とかよくわからないけれど、なぜか自分は一人ぽっちのように感じられる自分もあって、めくるめく心の動きがあるようです。福田先生が、乃木坂46の歌(歌詞)を紹介してくださいました。その歌詞がこうした思春期の揺れる心、自分でも周りの人にどうしてもらいたいか言葉にできない思いをよく表しているとのことでした。なるほど、だから10代の人達に人気があり、共感を得られるのか…。自分でも説明のつかない複雑な気持ちを代弁してくれる歌や物語にも、大人はもう少し敏感になったほうがいいのだろうと思いました。

  疾風怒濤の思春期を越え、次はどのようなこころに触れられるか、今後の恵み野での学びに思いを馳せる年の瀬です。

   以下の画像は第2回講演会でのスナップです。学ぶことがたくさんありました。福田先生、ありがとうございました。

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