りんごの花

私は「りんご」を見ると足が止まります。りんごの栽培方法は次のとおりです。

① りんごのような果樹は遺伝的に雑種性が高いため、種子で繁殖すると親と異なる形質の個体が出現する。種子繁殖は品種改良のための交雑実生育成と、台木の育成に用いられる。
② そのためりんごの栽培品種は種子繁殖されず、栄養繁殖される。栄養繁殖は母樹の一部である枝、葉、根などを切り離し、その再生力を利用して新しい個体を育成し、繁殖させる方法。りんごの栄養繁殖法は『接ぎ木』による。母樹から切り離した穂木(接ぎ穂)を台木に接着させ、独立した個体を得るのが接ぎ木である。これにより、突然変異が起こらない限り母樹と形質が同じ個体(クローン)を無限に増殖することができる。…生産量が世界一の品種「ふじ」も1本の母樹から栄養繁殖されたとのことです。(引用:「一木先生のリンゴ学講座(https://www.ringodaigaku.com/)
 りんごの育ちは人間の育ちと似ているようです。「接ぎ木」のありよう、つまり技術と根との相性が重要なのかもしれません。

 私は現在北海道山中にある農家さんから、りんごの木、「つがる」をお借りしています。つがるは青森県りんご試験場が育成し、1975年に品種登録されたりんごです。父親は紅玉、母親はゴールデンデリシャスで、甘味が強くて、ほんの少しだけ酸味がありますが、とてもおいしいりんごです。収穫時期は早くて、9月中旬くらいからおいしくいただけます。北海道ですと10月初めくらいからの収穫となります。
 写真は6月初めの頃のりんごの木です。りんごの花がたくさん咲きました。でも花が咲いているのはわずか10日間くらい。多くはこの時期に他の品種の花粉を受粉することで実になるのです。大学時代、雄大な岩木山の麓でりんごの受粉のアルバイトをしたのがりんごの花との最初の出会いです。脚立に上って、花びらと向き合い綿棒を使って受粉作業をしました。農家の方から受粉についていろいろと教わりましたが、それは自分が素直になれるひと時でした。居住していた大学寮の裏は一面りんご畑。手を伸ばせばすぐ手に届くりんご、そんなイメージが今もあるのが自分では不思議です…